某月某日
[click to full size photograph] 友達が死んだ。嘘みたいな、本当の話だった。
何かの勘違いじゃないのか。白いシャツに、黒いネクタイを締めて、電話で教えられた駅に降り立った僕は、まだそう思っていた。案内係が示す xx家の文字には、見覚えが無かった。
生暖かい風が吹く大きな川を渡って、葬儀場に着くと、大きく彼女の名前が書かれていた。なんてこった、と心の中で呟いた。
花に溢れた大きな祭壇には、彼女の写真が飾られていた。そういえば、何故か写真写りが良くない子だったのだけれど、その遺影はちゃんと、彼女の綺麗さを表現していた。綺麗で、頭のよい子だった。共に大学時代を過ごした、同い年の友達の葬式は初めてだった。
通夜振る舞いで、半月ぶりに口にしたビールはとても苦く、久しぶりに会った友人達との会話は、途切れ途切れだった。
よろしければ、一目、と夫だった人に促されて、祭壇に再び歩み寄ったものの、苛立ちのような、理不尽さのようなものがこみ上げてきた。ハーフ?と良く訊かれていた、彼女の白い肌はいつもと変わりなく、ただ目だけを固く閉じていた。
彼女は死んでいて、僕は生きている、そう強く感じた。
夜のまどろみから、急にたたき起こされたかのように、意識だけがハッキリとしていた。
Photo: "公園の白い花" 2006. Japan, Zeiss Ikon, Carl Zeiss Biogon T* 2.8/28(ZM), Kodak 400TX.
某月某日
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言うべき言葉が見つからないときには、黙っていればよい。
Photo: "新緑" 2006. Japan, Contax i4R, Carl Zeiss Tessar T* F2.8/6.5.
某月某日
[click to full size photograph] 映画シェルタリング・スカイの冒頭で、主人公が夢の話をする。妻は、
「他人の夢の話は、退屈なだけだからやめて」
と拒絶する。でも、実は彼女は恐れていたのだった、夢が何かの兆候を示すことを。
で、僕が見た「エビ天の缶詰」の夢はいったい何の兆候を示すのだろうか。しかも、缶には「大盛り」と書いてあった。
僕のフェイバレット缶詰と言えば、ポークランチョンミートだな。
Photo: "ポークランチョンミート" 2003. Contax RX, Carl Zeiss Planar T* 1.4/85(MM), Kodak EBX.
写真は、僕が初めて CONTAX で撮ったリールの1枚。
某月某日
[click to full size photograph] 都会の空気にうんざりして、電車に乗って遠くへ行った。
いい加減な地図を頼りにして、たどり着いた菖蒲田は、今年の夏の遅い歩調のせいか未だ一面の緑色だった。雨に濡れた畦道を進むと、ほんの一角だけ、幾株か咲いていて、それは薄青い鳥がとまったように見えた。
東屋からのんびり眺める新緑は、黒い影に切り取られ、雨が若い緑に染み込むように、心に染み込んだ。
雨が、緑を一番美しく魅せる。この季節の雨は特に。
そして、カエルがまた鳴き始め、僕は次の場所へと歩き始める。
Photo: "菖蒲田" Saitama, 2006. Contax i4R, Carl Zeiss Tessar T* F2.8/6.5.
某月某日
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考えあぐねるように座る。
月明かりが水の面を覆っている。
お前はどこから来て、どこへ行く?
Photo: "月と猫" 2006. Tokyo, Japan, Contax i4R, Carl Zeiss Tessar T* F2.8/6.5.
某月某日
[click to snapshots] 六本木、昼間。
この前の夜、何かのイベントで人だかりがしていて気になったカフェというか、バーが流石に昼間でガラガラ。奥のダイニングみたいな小部屋に入って、せかせかした街の景色やら、右翼の街宣車を眺めながら一休み。
ビールはハートランドが一番好き。僕が好きな、寛ぐ店には、何故かたいていハートランドが置いてあって、たいしてビールが好きという訳でもないのに、それでホッと一息つく。
ハートランドは日本のビールだが、米が入っていない。麦芽とホップだけ。日本酒は好きだけれど、僕はビールは麦芽だけの方が好きだ。
でも、やっぱり昼間の酒はちょっと酔う。
Photo: "ハートランドビール" 2005. Tokyo, Japan, Contax i4R, Carl Zeiss Tessar T* F2.8/6.5.