某月某日
[click to snapshots] 午前 2時。大阪市内のとあるホテルの一室。目の前には、30個入りの崎陽軒のシウマイが手つかずの状態で置かれている。腹はすでに一杯だ。
大阪へのお土産は、崎陽軒のシウマイと決まっている。毎回、同じ人に、同じものを、あげるのも芸がないので、今回はいつもの倍の30個入りだ。相手は、今日はメタルのスーツケースを持っている。シウマイを入れるのに、もっとも向かない鞄があるとすれば、それはメタルのスーツケースに違いない。いい感じだ。スーツケースにシウマイ、カッコワルイ。
打ち合わせも終わって、ちょっと遅い晩飯を食べて、ちょっと(かなり)風変わりなバーに行ってみたりする。マンションの最上階にある、バー。普通にチャイムを鳴らして入るのだ。淀川の向こうに大阪市街を眺めつつ、思いっきり、ベタベタにセレブな感じが演出されるのは、やはり関西だからか。(値段は驚くほど安い)
夜半、大阪組と東京組は分かれて、僕たちはいい気分で今日の宿に向かう。やっぱり、夜食だろ、というところで「レゲエ飯」をつくるべくコンビニに入って思い出した。
「シウマイ!」
「あー、鞄に入れっぱなし!」喰うのかよ。(喰ったが)
Photo: "崎陽軒のシウマイ" 2004. Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.
注:付け合わせはパスタになっております。
某月某日
[click to snapshots] Sony Ericsson premini - SO213i。i-mode PDC 世界最小。また、SONY か。使うために習熟しないといけない機械。はっきり言ってあんまり便利でない機械。使い始めて 2ヶ月ぐらいたって、ようやく慣れてきて、集中しなくても操作できるようになってきた。最初は、電話に出ようとして間違ってよく切った。
モノとして見たとき、金属の触感は悪くない。でもそのつるりとした表面と掴みきれないサイズは、手から滑り落ちそうな気がする。エレベーターに乗るときに、あの、箱の隙間。あの漆黒の隙間に落としそうな気がしてしまう。それ以外は(いや、ホントに落ちそうな大きさなんだ)、まあ使える。メールも短いものなら打てる。(ただし、もし恋人とのメールのやりとりにと考えているなら、この携帯はお勧めしない)でも、やっぱりなんか距離感が縮まない携帯だな。
INFOBAR を褒めていた、ある工業デザイナーの人に「これ、どう思いますか?」と聞いてみた。
「良くできてる、でも、遊びがないんです」
確かに、この機械は理詰めで作っている、キーの傾斜から DSP のチューニングに至るまで、「こうあれ」みたいな感じでつくってある。このゆとりのなさ加減。だから、居心地はそんなに良くない。まあ個人的には受け入れられる範囲だが、ダメな人も多いと思う。一緒に使っている A1402S は同じソニエリだが、これとはずいぶんと路線が違う。A1402S は、バランスよく切り捨てた携帯だが、premini はまあ、通話できりゃいいや、ぐらいの勢いで削っている。確かに随所に工夫がしてあるのだが、それは使いやすさのためというより、そういう工夫をしないとこの大きさでは使えない、という世界だ。
この携帯、一言で言うなら疲れる携帯。目が疲れるとか(確かに見にくいが)、そういうんではなくて、「こう使え!」というメッセージが滲んでいるからなのだろう。でも逆にその主張は強く明確で、もしかしたら 10年後にも人々の記憶に残る製品なのかもしれない。あるいはその核たる部分が、デザイナーの思いこみや傲慢だったとしても、これだけ尖ったものをカタチにするのは良いことなのだと思う。
Photo: "premini" 2004. Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.
某月某日
[click to snapshots] 石川町の駅に着こうとするところで「いま品川」というメールが入る。それって、待ち合わせの 5分前に送る内容じゃないだろ。結局、待ち合わせはえらく要領の悪いものになり、僕は大雨の中を震えながら待つことになり、関帝廟のあたりでえらく不満な表情で待ち人に出会うまで小一時間かかった。
雨の中華街は肌寒く、よっぽど地方から来た人が予定だから仕方なく来ているような、そんな感じでガラガラだった。これなら行列の店にもすぐに入れるかもしれない(入ったことはないが)、と思いながら善隣門をくぐる。とはいっても、今日目指す店には、ついぞ行列などできないらしいが。
チャーハンとエビチリと春巻き、みたいなものを食べたくは無くて、モツを売りにする広東料理に来てみた。知る人ぞ知る、中華街の奥深くにある、というわけでもなく、善隣門の直ぐわき、間口は狭いが思いっきり大通りに面して、目的の「楽園」は普通にある。店は薄暗くて、細長く2列のテーブル席が並んでいる。知らなければ絶対に入らないと思う。
とにかく寒かったので、暖かい紹興酒でも飲もうかと思ったが、瓶売りなので白乾(中国の焼酎みたいなもの、かなり強い)にする。苺のような独特の香りと、強いアルコールで、まあ、無理矢理少し暖まってきた。値段からして(530円)ショットグラスに 1杯かと思って頼んだら、お銚子になみなみ入ってきた。
白乾を飲みながら、メニューを考える。センマイのネギ・ショウガ和えと、巻揚、海老チャーハン(食いたくないって言った割に頼んでる)。
暫くして、どん、と出てきたのがセンマイ。値段の割に量もたっぷりしていて、期待できる。テーブルの向かいの、「何これ?」みたいな顔に答えるべく、食べてみる。臭みはまったくなくて、独特の食感だけが残った完璧な処理。少し強めの塩味とネギの香気。モツの旨み。これは良い。何?美味しい?それは良かった。全く、こんな構えの店で、こんなものが供されている。ただの観光地、という言い方もされるけど、中華街にはやはり厚みがある。大学時代を横浜で過ごして、お金がなかったからしょっちゅう来るなんてできなかったけれど、何か懐かしさを求めて中華街に来てみたのだ。
あの頃と違うのは、もうお金を気にしてびくびく注文しなくていいこと。で、お金は気にしないけど、カロリーは気になること。一皿目で完璧に分かったのは、この店は素っ気はないけど、真っ当に美味しいものを、ちゃんとした(むしろ安い)値段で出していること。もうこうなると、安心してしまう。店の姉さん達は、奥のテーブルで新聞を読んでいて、後ろのテーブルの男は、紹興酒を一瓶空けそうな勢いだ。外は寒い雨が降っていて、僕たちは少し昔の話をしていて、目の前の料理は上々。悪くない。
巻揚が来た。巻揚なるものが美味い、という情報を鵜呑みにして頼んでみたのだが、これまたなんだか分からない食べ物だ。(知ってる人には常識なんでしょうけど)細く切った筍、豚肉、椎茸などを(多分)簾で巻いて、香ばしく揚げてある。ぎっしり詰まった筍が贅沢な食感。これ美味しい。チェイサーにビールを頼んで、代わり番こに白乾の杯を啜りながら(それぐらいの間がちょうどいい強さだ)、モツを食べ、巻揚を食べる。それにしても、量が多い。結局、もう一品野菜炒めをもらって、満腹になった。もっといろいろ試したいけど、これでキリが良い。
その日、雨は結局やまず、少し懐かしい横浜をゆっくり歩いて見ることもなく、初めて行くバーで長々と飲んで帰った。そういえば、横浜駅の真ん前で、ものすごく酔って震えていた、そんな時もあったな。
追伸:お土産にかった肉まんも大変結構でした。
Photo: "センマイのネギ・ショウガ和え" 2004. Contax Tvs Digital, Carl Zeiss Vario Sonnar T* F2.8-4.8/35mm-105.
注:中華街を楽しむなら、個人的にはやはり大箱は避けて、庶民的なお店で普通に美味しいものを食べることをお勧めします。そういえば、横浜開港から始まる中華街の歴史は、一世紀以上あるんですね。
注:今日のお店。楽園, 045-641-9308。かなり食べても一人 3,000円台でした。
某月某日
[click to snapshots] 秋です。
久しぶりに昼間の新宿を歩く。都庁から公園に抜けていく。新宿は、前に働いていた街で、秋のからっとした空気とともに、懐かしい気分になる。
どっか地方から来ているおじさんの団体が、都庁をバックにして写真を撮っている。あんなもん撮るなよ、、と思ってみると、今日の都庁はなんか凄いことになってる。高い高い空を思わずブックマーク。TVS を持ってこなかったことをちょっと後悔した。
公園脇を歩いていくと、ちょっと思い出があって寂しくなる。でも、のんびりしている暇はない。ささっと、次の予定の場所に向かわないと。
Photo: "都庁" 2004. Sony Cyber-shot U10, 5mm(33mm)/F2.8