今日の一言。
2003年 4月の一言 

某月某日
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真っ白な雨傘
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鎌倉の裏路地。石垣と土壁の小路。



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突然、風に吹かれて、干されていた傘が、ふわりと落ちてきた。

カンカンの日の光を浴びて、気持ちよさそうにくるくる回る、真っ白な雨傘。埃っぽい春風に踊れ。



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風が止む。音楽が止んだように、傘は地面に舞い降りた。



Photo: 2003. Kamakura, Japan, Contax RX, Carl Zeiss Planar T* 1.4/85(MM), Kodak EB-3



某月某日
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ニセカフェ飯
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目が覚めると、ほとんどお昼だった。ホテルのモーニングコールを消して、また眠ったらしい。

東京に帰ることをのぞけば、今日は特にやることもない。遅い朝飯を食べてから新幹線に乗ろうかとも思ったが、あまり食べる気がしない。



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関西の駅でよく見かける神戸屋キッチンのサンドイッチは、地元の人にはなんてコト無いのかもしれないが、僕は結構好きだ。昼飯代わりに、何か買っておくことにした。オニオン・サラダと、ロースト・ビーフのサンドイッチ、それから、少し大ぶりのチーズとハムのサンドイッチ。全部で 1,000円ちょっと。通りかかって芳ばしい匂いがしたので、 ベアードパパのシュークリームも買った。



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東京行きの電車が駅を出て暫く、そろそろ昼メシを広げる時間だ。「偽カフェ飯」みたいな見た目は、どんよりした曇り空の景色の下で、確信犯的に白々しい。でも、それなりに美味しい。ちゃんと岩塩の味がついた肉と、ピリッとしたクレソンの味。ありきたりの弁当を買うより、ずっと良い感じがする。

通路の反対側の席には、老夫婦が座っていて、夫はビールからウイスキーに飲み進んでいる。昼過ぎ、電車は田園の中を走り抜けていく。



Photo: 2003. Osaka, Japan, Sony Cyber-shot U10, 5mm(33mm)/F2.8, JPEG.



某月某日
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桜
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今年は桜を見に行こう。そう思って、あちこち見に行って、目の前が真っ白になって、うんざりした。

こんなに一生懸命桜を見たのは、生まれてはじめてかもしれない。



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桜の名所。周りは、家族や、カップルや、同僚や、友達や、そんな人たちでいっぱいだ。でも、本当に見るんだったら、一人の方が良いかもしれない。堀端に揺れる桜に、ふと漂う妖しい気配はかすかで、その声を聞くには耳を澄ましていなくては。

 



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そういえば、桜の花はほとんど匂いがしない。人の記憶は匂いに結びつくけれど、満開の桜の景色は、まるで浅い夢のように、淡い色だけを瞼に残す。

春の浅い夢だ。



Photo: 2003. Tokyo, Japan, Contax RX, Carl Zeiss Planar T* 1.4/85(MM), Kodak EBX



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