某月某日
[click to full size photograph] 季節感もなにもなく、年の瀬。
仕事納めの日。いつもの月末と同じように、ほったらかしにしておいた精算やらをまとめてやって、いつものビストロに行って早めの晩飯を食べる。疲れているせいか、あまり喰えない。卵の薫製とか、そんなものを少しづつ食べる。
「もう今年は最後ですから」と、主人が残りのケーキをありったけ盛って出してくれた。
年の瀬のある日。
京都、塀の上を見上げると、職人が松を整えていた。研いだ植木鋏が、鋭い音をたてて枝を刈り込んでゆく。高い空に、青々とした常緑樹の葉が清々しく、新年を迎える準備として、とても好ましいように思えた。
年々、薄くなっていく季節感。それは、僕が年をとっていくせい、だけではあるまい。
ちなみに、羊ページ管理者は年越しは、MXテレビ を見ております。あらゆる意味で、面白いです。
皆様、良いお年を。
Photo: 2000, Kyoto, Japan, Nikon F100, Zoom Nikkor 35-105mm F3.5-4.5D, Fuji-Film, F.S.,
注1. MXテレビ。東京周辺で主に視聴可能な放送局。ある意味恐いものナシ、失うものナシの企画力が凄い。また、日本でも数少ない、完全ノンリニアの放送局(だったはず)
某月某日
[click to full size photograph] 朝、5時。
疲労と、寝不足と、寒さは、僕たちの頭から完全に、正常な判断力を奪っていた。晩飯に味噌まみれの松阪牛の焼肉を、たらふく食べているから、腹は減っていない。
しかし、コンビニで「材料」を買ってきてしまった。明け方の、名も知れぬビジネスホテルの一室で、調理が始まった。
料理名:チェキラご飯
ルール:残さないこと
材料:コンビニの白飯(チンしたもの)、チェキラ! リズム&ブルースショウユ(もしくは、チェキラ!ソウル・トンコツ・フィーバー)作り方:
1. チェキラ!をお湯で戻します。このとき、液体スープの元は入れないこと。
2. お湯を捨てます。
3. 白飯をのせ、上から付属の液体スープの元をかけます
4. よくまぜてお召し上がり下さい
ここは三重。我々は、いったい何をしているのであろうか。
Photo: 2000. Suzuka, Japan, Nikon F100, Zoom Nikkor 35-105mm F3.5-4.5D, Fuji-Film, F.S.,
注1. 決して残飯を撮影したものではありません。
注2. ホントにつくって、どうなっても知りません。
某月某日
確かに、今日は燃えるゴミの日だが、木の切り株をまるごと捨てるのはいかがなものだろうか。
某月某日
[click to full size photograph] 誰かとクリスマスのお祝いを。
というのは、する年もあるし、しない年もある。けれど、人混みがあまり好きじゃない僕には、ちょうど24, 25日に何かをしたという記憶がない。ちょっと早めとか、ちょっと遅めとか、そういう感じだ。
だから今年、僕はなにをするでもなく、冷凍のレアチーズケーキを食べ、オーブンで少しばかり焦げてしまった鶏をむしっていた。
いろいろ大変だった去年の年末。夏前からえんえんと続いた、目の回るような忙しさ。それらを思えば、静かに鶏の小骨と格闘する時間は、まったく悪くなく、文字通り一息つくという感じだ。
クリスマスは本来の宗教的な意味から言えば、なんていう議論があるけれど、どうでも良いことに思える。何かを祝福したい、というのは、別に悪いことではないだろう。僕はなにかを祝福するわけではなく、ただ、鶏をむしって食べるだけだ。
グサッ。
鶏の骨が、刺さった。(上顎、超痛い)
Photo: 2000. Tokyo, Japan, CONTAX T2 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/38, Fuji-Film, F.S.,
某月某日
家の近所、救急病院があるので救急車がよく通る。交差点にさしかると、
「救急車赤信号通ります、赤信号通ります。」なんて、しょっちゅうやっている。この道を通るドライバーは慣れているから、赤色灯が見えると凄くスムーズに道を空ける。
つい先日、深緑色の車が、赤色灯を回しながら走ってきた。交差点にさしかかると、
「街宣車赤信号通ります、赤信号通ります。」通るな。
某月某日
[click to full size photograph] 忘れてしまっただろうか。落ち葉は、綺麗な宝物だったことを。
この時期、会社近くの公園を通ると、子供たちが落ち葉で遊んでいる。拾い集めたえりすぐりの落ち葉は、彼らにとっては、れっきとした戦利品だ。
みんな、必死になって戦利品をいっぱい集めている。でも、よくよく見てみよう。子供によって集める方向性が違う。
枚数で勝負するやつ、大物狙いのやつ、綺麗なのだけを狙うやつ。集めることは放棄して、投げつけ合ってるやつら。とにかく女の子に見せびらかせるやつと、それをあきれ顔でみる当の彼女。
多分、幼稚園のお散歩の一風景なのだろうけれど、そこには、なんとなく各々の将来を予感させる行動があって面白い。
僕は、どんな子供だったっけ。
注1:2001. Tokyo, Japan, CONTAX RX, Carl Zeiss Planar T* 1.4/85(MM), Knodak DYNA 400, F.S.,
注2:羊ページは書くのが遅いので、ちょっと時期をはずしてしまいました。でも、これって去年載せ逃して1年お蔵入りになっていたものなので、あえて掲載。
某月某日
[click to full size photograph] 綺麗な紅葉ではなかった。葉には虫喰の跡が残り、枝には蔦がからんでいる。
西日の当たる、うちすてられたような場所に、木は立っていた。木は動けないから、じっとそこに生えている。もし、木が動くことが出来たなら、都会の木はみんな逃げ出す。そんな話を、聞いたことがある。
新宿御苑にたどり着いたのは、日がおちかかる夕暮れ時。この季節、紅葉を求めてここを訪れる人間は3種類居る。家族連れ、カップル、カメラマン。
残された僅かな日の光に、ありとあらゆる種類のカメラをもった人びとが、わんさか群がっている。Canon, Nikon, Minolta, CONTAX, Leica, Hasseleblad, Rolleiflex、夕日を浴びる紅葉に、無数のレンズが向けられていた。
でも、僕が見つけたこの赤茶けた木は、なんだかまるで人気がない。誰も見向きもしない。そりゃ、あんまり綺麗じゃないし、隅っこにあるし。でも、なんとなく頑張っているように見えたので、僕はこいつを撮ることにした。
葉っぱは煤けていたけれど、よく見れば新芽のようなものがあった。色だって、よく見ればすてたもんじゃないよね。
注1:2001. Tokyo, Japan, CONTAX RX, Carl Zeiss Planar T* 1.4/85(MM), Knodak DYNA 400, F.S.,
某月某日
[click to full size photograph]
「疲れたなぁ」と思って見上げると、もう秋が終わろうとしていた。業界は、やたらと不景気で、それでも忙しい場所というのはあくまで忙しい。いろんな事を、実務的に片づけ続けたここ数週間。そういうリズムの中で、いろんな事にすれ違って、でも、心は気が付かない。
山積していた諸々に、ようやく片が付き、僕は久しぶりに休みをとった。電車にのって、街を出た。
ヘッドフォンから、宇多田ヒカルの「traveling」が流れてきた。いままでと、ちょっと感じが違う曲。リズムと、流れる街の灯りは、よく合っている感じがした。
注1:2001. Tokyo, Japan, CONTAX T3 Carl Zeiss T* Sonnar 2.8/35, Knodak DYNA 400, F.S.,