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初めて芝居小屋で芝居を見る

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2010年12月18日 土曜日
Hanazono Shrine

Photo: "Hanazono Shrine" 2008. Tokyo, Ricoh GR DIGITAL, GR LENS F2.4/28.

新宿一丁目。隣に座る見知らぬ男が噛んでいるガムの、甘ったるい人工的な臭いが、とても不愉快だ。天井は低く、空気の流れは悪い。

「非常口が無いじゃないか」と友人はいささか怒っている。ここで火事が起こったら、逃げられないだろうな、と思う。細い階段だけが唯一の出入り口の地下一階。芝居小屋、というのがぴったりな、80名も入れば一杯の劇場だ。

芝居というものを、芝居小屋という空間で、初めて見た。それは、ちょっと予想外の体験だった。なんというか、極めて個人的な人生の断面を、のぞき見しているような、そんな感覚。


僕たちが最初に、芝居というものに触れるのはテレビの中だ。だから、テレビ以前とテレビ以降では、その印象というか衝撃というか、そういうものはかなり異なるだろう。テレビも映画もない時代に、芝居に触れた人の驚きと楽しさは、相当なものだっただろう。テレビで、中途半端な芝居体験を積み重ねてきた僕にとってさえ、けっこう衝撃的な体験ではあったのだ。

ライブビデオとライブが、全く違う体験であるように、芝居は体験としては、テレビよりも遙かに豊かである。例え、舞台がほんの数メートル四方の狭い、装飾も殆ど無い簡素なものだったとしても。その場限りという再演性の無さ、複製芸術にはない共有感。

しかしこれは、まったくスケールしないし、商売としては楽なものでは無い。結局あの日、観客とスタッフと、どちらが多かったのだ?パトロン無き時代の芸術とは、どうやって成り立つのか。そういうことを、また考えた。



都会で育つこと

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2010年2月2日 火曜日

Photo: molt 2008. Tokyo, Ricoh GR DIGITAL, GR LENS F2.4/28.

Photo: "molt" 2008. Tokyo, Ricoh GR DIGITAL, GR LENS F2.4/28.

「僕はここで育ったんです。で、縁あってこのお店に勤めることになりまして。」

帰り道から少しだけ外れたところにあるバーは、かなり急な階段を 3階分登らなくてはならない。ここが危うくて登れないようであれば、もう既に十分飲み過ぎなのだから、帰った方が良いのだ。


難しいカクテルは出来ない。いろんなモルトが有るわけでもない。でも、歩いて帰れるし、なにより天井が高い。バーテンダーは、多分僕より少し若くて、控えめな優しそうなヤツだ。

「あの安い八百屋知ってます?」
という話になる。

「凄い安いですね。でも、なんかこの前、」
そうそう、ドリアンを置いてたよね。誰が買うんだよあれ。

こんな都心で生まれて育つって、どんな気持ちがするの?

「寂しいですよ。小学校なんて、地元で通ってくる生徒は、全部で 100人ぐらいしか居ないんです。」


昔、社会の授業で習った「ドーナツ化現象」というのは、つまりはこういうことなのだ。長くて危なっかしい階段を下りて、外に出ると雨は上がっていた。バーテンダーは外まで降りて、見送ってくれた。



イカさんウインナー

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2009年10月5日 月曜日
Photo: イカさんウインナー 2009. Tokyo, Ricoh GR DIGITAL, GR LENS F2.4/28.

Photo: "イカさんウインナー" 2009. Tokyo, Ricoh GR DIGITAL, GR LENS F2.4/28.

最近、タイ料理と言えば、新宿2丁目あたりにある、タイ語飛び交うこの店に来ている。美味しくて、安くて、ちょっと狭い。

生春巻きなんかはつい頼んでしまうとして、他の皿はなるべく普段食べないモノを注文するようにしている。そうは言っても、絶対メニュー名を覚えられないのが、タイ料理。


よって、この料理が何という料理かは忘れてしまった。この皿の上に乗ってきた、イカのような、タコのような、妙に可愛く丸まったものは何でしょう。食べてみると味はイカ的。しかし、ナチュラルタコウインナー的なお姿はタコ的。



オージービーフ 300g

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2008年12月22日 月曜日
Photo: オージービーフ 300g 2008. Tokyo, Ricoh GR DIGITAL, GR LENS F2.4/28.

Photo: "オージービーフ 300g" 2008. Tokyo, Ricoh GR DIGITAL, GR LENS F2.4/28.

肉が余ったので、というと嘘くさいが、本当に安いステーキ肉があまったので、一気に二枚焼いてみる。

日本酒を振りかけて、海塩と胡椒をして放置。その間に、サラダをつくる。何が何でもトマトが好きで、冬場にこれほどお買い得感のない野菜もないけれ ど、つい入れてしまう。青物はワサビ菜。ワサビのぴりっとした風味がするチシャみたいな葉物で、旬はよく分からないが一年中出ている。

オリーブオイル、ごま油、海塩、酢、胡椒、醤油あたりをグルグル混ぜてドレッシングを作っていると、下ごしらえした肉もよい頃合いになっている。


僕が気に入っているリバーライトのフライパンは鉄のちゃんとしたフライパンで、安い。それを煙が出るまで、カンカンに熱して、オリーブオイルを(ホントは高温で使ったらダメなんだけど)馴染ませたら肉を放り込む。

こういう時には、柳宗理の穴あきパスタトングが、最高に便利。なんでも器用に掴めて、洗うのも楽で清潔。菜箸がわりに、あらゆる用途で使っている。 肉は、強火で、蓋をして片面 1分、ひっくり返して、蓋をして反対側 1分。フライパンが暖まっていれば、肉はくっついたりしない。


お皿に肉をあげて、フライパンに残ったいかにも体に悪そうな肉汁に、醤油、酒、チューブのニンニク(これは手間を惜しんで妥協してしまった)を投入して焦げ目を剥がすようにグルグル混ぜる。甘い匂いが立ち上ったらジュッと肉にかけてできあがり。これで、700円ぐらいなもんだから、オージービーフっ て凄い安いな。

日曜日の昼飯に、えらく重たいものを作ってしまった。南の空に浮かぶ、とりどりの冬の雲を見ながら、食べる。まあ、平和な午後。そういえば、季節はずれな近所の風鈴の音は、いつの間にか聞こえなくなっている。



年末なので窓掃除。

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2008年11月30日 日曜日
Photo: 汐留の吹抜 2008. Tokyo, Ricoh GR DIGITAL, GR LENS F2.4/28.

Photo: "汐留の吹抜" 2008. Tokyo, Ricoh GR DIGITAL, GR LENS F2.4/28.

年末なので窓掃除。というわけでもないだろうが。

待ち合わせの場所に、少し早く着いてしまって、ずっと窓掃除を見ている。

深い意味は無いのだけれど、窓ふきって、なんか男の仕事だなぁって感じがする。ロープと、スクレイパー一本で勝負する、みたいな。

よくよく見ていると、右の人と、左の人では、拭き方の丁寧さ加減が違う。商売としては仕事が早くて、ちょっと大雑把なぐらいの方が、いいのかもしれない。でも、個人的には、左側で拭いてる人の方が、丁寧で拭き残しもないからいいな。


それにしても、拭きにくそうなこの窓。CAD でこのフロアを設計した人間は、きっと窓ふきの事なんて考えてないんだろうな。